歌詞
- まほろばの飛鳥時代
大化の改新に生まれた
租・庸・調の税の仕組み
稲穂や労務に税を課し
税は国の基礎として
大和の国は始まる - 貴族文化の平安時代
枕草子に源氏物語
女流文学花盛り
富豪と農民貧富の差
寺社・貴族の荘園栄え
農民には重い税を課す - 下剋上の室町時代
金閣・銀閣光の中で
社会に民衆登場
商工業に税を課し
そして街道には通行税
応仁の乱から戦国時代へ - 天下統一の安土桃山
本能寺の変で
信長から秀吉ヘ
太閤検地で税率は
収穫高に応じる二公一民 - 鎖国で花咲く江戸時代
絢爛豪華な元禄文化
田畑課される年貢は
五公五民
商人は運上金・冥加金
士農工商もなんのその武士を超える大豪商 - 文明開化の明治時代
地租改正で歳入安定
3%は現金納付
所得税に法人税
日露戦争で相続税生まれ
そのあと戦費の増税続く - 激動の昭和時代
戦後の税制変わった
シャウプ勧告に基づく
今の税の基礎(もと)となる
税制改革色々あったけど
平成元年消費税が生まれる
歴史は変わる 社会は変わる
文化は変わる 経済も変わる
税金と共に 君は何を望む
豊かな令和を求めて
税金は変わる税金は変わる
楽曲のコメント
2022年にリリースしたのが「税金ヒストリー」である。まほろばの飛鳥時代(租・庸・調)から平安時代、室町時代(通行税)、戦国時代、安土桃山時代(太閤検地)、江戸時代(五公五民・運用金・冥加金)と続き、そして明治時代(地租改正)、日露戦争で相続税が生まれ、戦後の昭和にアメリカからシャウプが来て、日本の税制を新しく作り(シャウプ勧告)、そしても平成元年の消費税導入まで気の遠くなりそうな歴史を7コーラスで、税金を絡めて歌ったものである。この歌を絶唱することで、中学・高校の税金の歴史は、バッチリである。何度でも歌って、試験に合格するよう期待している。
○ 我が国の租税制度「租」「庸」「調」
我が国の租税制度(飛鳥時代か奈良時代)の「租」「庸」「調」は、中国の「唐」の制度を真似たものである。「租」という字は、「のぎへん」を使い、穀物を表すもので、田んぼで収穫したお米を税として納めることである。当時の唯一の通貨とされたものが「稲」であった。「庸」は、「えだち」といい、労務負担を課すものであって、毎年、一定期間、国家のために労働を行うことを義務づけられ、当時の大規模な公共土木工事などは、このような無償の労務を駆使して行われたものと考えられる。「調」は、「みつぎ」といい、これは、いわゆる現物給付で、各地方のそれぞれの物産を献納したところから由来するもので、布や特産物(絹・紙・漆・工芸品など)を税として納めるものである。なお、「調」は各地から奈良の都まで運ばれたもので、その運搬の途中で野垂れ死にする者もいたことから、「万葉集」でも歌われている。
万葉集 巻16・歌3853
あをによし奈良の都を置きていなば
愛しき人に、また逢えるだろうか
(現代訳)
奈良の都を後にして行ってしまえば
愛しい人に、またあえるだろうか
これは、「調」を運んで奈良に行ったきり戻れない人々の不安や絶望がこもった一首です。
「調」は物を納める税であると同時に、それを人の手で都まで運ぶということが、当時の人々にとって非常に重い負担でした。その現実が、「万葉集」の中にもしっかりと刻まれています。特に巻16の歌群には、このような歌が多くあります。